2018/08/07 16:57

犬小屋制作2年目で生まれた、オール高知県産杉の犬小屋

 

犬小屋製作を始めて10年が経ちますが、最初の2年はベニヤで作ったものがほとんどでした。

ベニヤといっても12ミリもの厚みがあり、骨組みさえしっかりしていれば、かなり頑丈に仕上がります。

実際、現在でもベニヤ製の犬小屋も販売しており、一番の人気商品となっております。

ところがある日、お客様からこんなご相談をいただきました。

「うちのわんこは皮膚アレルギーがあるので、ベニヤじゃなくて自然の木で作った犬小屋が欲しい」

と。

小さな頃から犬が大好きで、人生においてほとんど犬を切らしことのない私でしたが、アレルギーに苦しむ犬を身近に感じたのは、その時が初めてでした。

そのご相談を受けて犬のアレルギーについて調べてみると、アレルギーと一口に言っても、食物アレルギーだったりノミアレルギーだったりと、色々な種類があり、その対処法も様々。

ただ、どんなアレルギーでも、なるべく清潔な環境を与えることと、ストレスから解放してやることが、共通する対処法でした。

「よし、アレルギーに苦しむわんちゃんのために一肌ぬごうじゃないか!」

こうして、オール高知県産杉の犬小屋を開発するに至りました。

 

迫力満点! オール高知県産杉の犬小屋。

 

開発秘話

 

まずは強度を保つために、45ミリ角の杉材で骨組みを作ります。

骨組みの時点で、人が乗ってもぐらつかないほど頑丈です。

 

壁は18ミリ厚の杉板を、画像のように“相じゃくり加工”して貼り合わせていきます。

 

この杉板の選定が肝でした。

木材には、節(ふし)の入り程度によって5段階の等級があります。

上から順に

・無節

・特選上小節

・上小節

・小節

・特一等

※最後の「特一等」は字面を見るととっても良い木材のように思われますが、この中では一番ランクの低い木材です。

 

どの等級にするかはかなり悩みましたが、私は「上小節」を使用することにしています。

上小節の定義は「1センチ程度の小さな節が、1メートル間隔程度で点在している木材」とのことですが、実際に仕入れてみると、ほとんど節がなく、たまにあったとしても、雨が染みこんでくるような節は全くなかったからです。

等級を上げればもっと良い木材が手に入りますが、そうすると犬小屋の価格が跳ね上がってしまいます。

極力金額を抑え、なおかつ最良の犬小屋を作るには、「上小節」が最適だったのです。

↓持っているのが、上小節の杉板です。

ほとんど節がないのがお分かりになるでしょうか。

 

“清潔さ”と“ストレスからの解法”

 

アレルギー持ちのわんこのために、“清潔さ”と“ストレスからの解放”を目指したこの犬小屋のポイントを紹介します。

まず清潔さ。

犬小屋をひっくり返したところです↓

床がありません。

床は下の画像のように、板を数枚並べて頂くことになります。

 

つまり、床が取り外せるというわけです。多少面倒かもしれませんが、念入りに掃除をするときに便利だと思います。ただ、木製犬小屋は水洗い厳禁ですのでご注意下さい。固く絞った雑巾などで拭くだけにして下さい。

また、この画像をご覧になってお分かりになると思いますが、杉板でできた室内はとっても優しい空間になっています。

たとえば、“清潔さ”だけを考えた場合、木よりもプラスチックやスチールの方が清潔感を保つことが容易です。汚れたと思ったら、水で丸洗いできるからです。

ただ、プラスチックやスチールでは、このような優しい空間を作り出せません。どこか寒々しい空間になってしまうことでしょう。

ここでお客様から頂いたお言葉を紹介します。

「以前はスチールの犬小屋で飼っていました。今回木製の犬小屋に買い換えてやったら、ガリガリだった体がふっくらしてきました。驚いています」

これには、作った私自身も驚きました。正直、それほど顕著な違いが現れるとは思っていませんでした。

おそらくこういうことでしょう。スチールは熱伝導率が高いので、外気温の影響をモロに受けます。冬場にスチールの犬小屋に入ると、わんちゃん自身の体温を維持するだけでも大変だったのではないのでしょうか。木製犬小屋に変わって、そういったストレスから解放され、わんちゃんの肉付きが良くなったのだと思います。

なんにせよ、健康になってくれて本当に良かったです。

 

こちらお客様から送って頂いた画像。杉の空間に安心してくれているようです。

 

ただ、これは言うまでもないことですが、犬小屋を与えただけでわんちゃんが健康になったりアトピーが治ったりするわけではありませんので、ご注意下さい。

やはり、毎日のお散歩やブラッシングなどのお世話が、わんちゃんの心の安定につながり、アトピーなども改善していくのだと思います。

 

さらにもう一枚。別のお客様から頂いた画像です↓

 

見事なドヤ顔ですね。

どうやらこの犬小屋には、わんちゃんをドヤ顔にさせる効果もあるようです(笑)

 

最後に

 

オール高知県産杉の犬小屋は、良い材料を使って丁寧に作っております。

ホームセンターなどで売っている犬小屋に比べると高いと思われるかもしれませんが、大切な愛犬の健康を第一に考えた場合、決して高い買い物ではないと思います。

皆様のご注文、心よりお待ちしております。

 

※オール高知県産杉と銘打っておりますが、以下の二カ所には別の木材を使用しています。

・床=わんちゃんの爪にまけないよう、杉よりも硬い桧(または松)を使用します。

・屋根下地=価格を抑えるために12ミリのベニヤ(JAS規格)を使用しています。